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第38話 言葉に出来ない感情

Penulis: Aica
last update Tanggal publikasi: 2026-05-05 00:04:14

【一弥side】

出来上がった写真を見て、言葉を失った。

これは杏華……?

プールに落ちたあの時も驚いた。でも、あれは「偶然」だった。

今回は違う——あの男のレンズの前で、彼女はあんなにも自然に、あんなにも楽しそうに笑っている。

そんな表情、見たことがなかった。

彼女は俺の前でそんなふうに笑ったことがない。

胸の奥で、言葉に出来ない何かが渦を巻いている。

怒りでもない、嫉妬でもない。でも、その両方でもあるような。

視線をそらすと、自分のこぶしが握りしめられているのに気づいた。

そして何より悔しく感じるのは、きっとこの男がそんな杏華をここまで綺麗にさせたということじゃなく、俺が杏華の元々持っていたその美しさを、俺自身が見抜けなかったという、その事実だ……。

モデルという杏華の新しい人生に、特に深い意味もなく力を貸し始めることになったが、今になって、それは果たして正解だったのか。

なぜか今頃になって、その選択をしたことを、後悔してしまいそうな不安に襲われる。

その理由はどうしてなのか、なぜそんな不安を感じてしまうのか、俺自身もよくわからないが……。

杏華とはもう離婚して他人のはずなのに、
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